[ ICT ]
(2018/1/5 05:00)
【サンフランシスコ=ロイターES・時事】アナリストらによると、米IT大手のアマゾン・ドット・コムとグーグルは、2017年末商戦で人工知能(AI)搭載のスピーカーをあまりにも大幅に値下げして販売したため、両社とも1台売るごとに数ドルの損失を出したとみられる。今後同様の製品を発売予定のアップルとは戦略の違いが鮮明になっている。
両社はそれぞれ、年末商戦で自社のAIスピーカーで最小の機種である「アマゾンエコードット」と「グーグルホームミニ」の価格を、通常の50ドルから最安で29ドルに値下げした。一方、アップルは価格349ドルのAIスピーカー「ホームポッド」の発売を当初予定の17年中から18年初頭に延期している。
アナリストらによると、アップルはスピーカーの販売で利益を得るとともに、音楽配信サービス「アップルミュージック」の販促につなげる戦略だ。「ホームポッド」に搭載される音声認識・対話機能「Siri(シリ)」は利用者に新たな曲を推薦することが主な役割になるとみられる。
一方、アマゾンとグーグルは消費者が衝動買いするような低価格で製品を販売し、スピーカーの対話機能を試してもらうことに熱心だ。消費者を囲い込み、その後の製品販売や購入傾向のデータから利益を得る考えだ。
(2018/1/5 05:00)