[ 政治・経済 ]
(2018/1/13 13:00)
イージス・アショア(source:Missile Defense Agency/ c 2017 Lockheed Martin Corporation)
政府は、北朝鮮の弾道ミサイルへの対抗策として導入を決めた陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」について、将来的に巡航ミサイルを迎撃する機能を加える方向で検討に入った。小野寺五典防衛相が12日の記者会見で明らかにした。
核・ミサイル開発を推進する北朝鮮だけでなく、巡航ミサイルの長射程化を進める中国やロシアに対しても抑止力を強化する狙いがある。中国は1500キロ、ロシアは4500キロメートルの射程の巡航ミサイルを保有しており、ともに自国から日本に届く。
小野寺氏は会見で「イージス・アショアは弾道ミサイルのみならず巡航ミサイルの迎撃機能を付加することも可能だ」と指摘。「さまざまなミサイルの脅威から国民の生命を守る観点から必要な検討を進めていきたい」と語った。
高高度から落下する弾道ミサイルに対し、巡航ミサイルはレーダーで探知しにくい低空を飛行し、飛行経路も変更が可能なため迎撃しにくいとされる。
政府が導入を想定するのは、米国の最新式対空ミサイル「SM6」。政府はイージス艦への搭載に向け、2018年度予算案に試験用弾薬の取得費21億円を計上しており、陸上イージスにも搭載可能とみている。
陸上イージスは、海上自衛隊のイージス艦に搭載するミサイル防衛機能を地上に固定配備する装備。日米両国が共同開発する迎撃ミサイル「SM3ブロック2A」を採用し、2基で日本全土をカバーできる。23年度中の運用開始を目指している。(時事)
(2018/1/13 13:00)