[ 金融・商況 ]
(2018/2/3 20:30)
顧客が保有する仮想通貨もホットウォレットから退避し、コールドウォレットなどに保管していることを発表した(ブルームバーグ)
仮想通貨取引所大手のコインチェック(東京・渋谷)は3日、約580億円分の仮想通貨「NEM(ネム)」が不正流出した問題で、顧客の日本円出金の再開に向けて準備を進めているとウェブサイトで発表した。1月30日の発表では出金再開の予定について数日中にも見通しを通知するとしていた。
発表によると、日本円出金に伴う技術的な安全性などについて確認・検証中で、再開に向けた準備を進めており、外部専門家の協力も得て行っている確認・検証を踏まえて出金の再開時期を通知するとしている。
また、顧客のアカウントに保有している日本円は金融機関の顧客専用口座に保全されていることに加え、顧客がアカウントに保有している仮想通貨もホットウォレットから退避し、コールドウォレットなどに保管しているとした。
3日午後の共同通信は、同取引所に通貨を預けて引き出せなくなっている利用者ら30人余りが同日、都内に集まって被害者団体を結成し返金を求めていくと報じた。支援する弁護士3人も同席し、被害者同士で情報交換するほかにホームページも立ち上げ、全国の被害者に参加を呼びかける方針だとしている。
コインチェックは1月26日に仮想通貨ネムの約580億円分が外部からの不正アクセスで 流出したと発表。同28日には、ネムを保有する約26万人全員に対し、約463億円を日本円で返金すると発表したが、時期や方法は検討中としていた。
金融庁は1月29日、同社に対して 業務改善命令を発動し、原因究明や顧客への適切な対応、経営管理の強化、責任の所在の明確化などを要請。2日に仮想通貨取引所としては初めて 立ち入り検査に踏み切った。同社に対して、13日までに業務改善命令に基づく対応策の提出を求めている。(ブルームバーグ)
(2018/2/3 20:30)