【電子版】北陸大雪 立ち往生、解消めど立たず 福井市内にも車列

国道8号で立ち往生し、雪に埋もれた乗用車（7日午前、福井市内＝時事）

　福井県と石川県を結ぶ国道8号で発生した車両の立ち往生現場では、7日も陸上自衛隊が除雪作業を続けたが、解消のめどが立たない状況が続いている。巻き込まれた車の正確な台数は不明だが、陸自によると同日午前6時時点で、福井県あわら市から同県坂井市の間に420台程度が取り残されている。車列はさらに、坂井市に隣接する福井市内まで伸びているという。

　陸自は隊員約1100人を投入し、除雪作業や動けなくなった車への燃料補給、自治体が用意した食料の配布などの活動を続けている。福井県の災害対策本部の会議後、第10師団長の甲斐芳樹陸将は記者団に、少なくとも7日夕までは動けない状態が続くとの認識を示した。

　会議では、坂井市の南の福井市下莇生田町付近にまで車列が伸びていることが報告された。甲斐陸将は、解消に向け車両の交通統制が必要と指摘した。

　嶺北消防組合（福井県坂井市）によると、車内にいた30-40代の男性2人が6日夜、体調不良のため病院に搬送された。他に8人が疲労を訴え、福井県が設置した救護所で診察を受けた。

　乗用車に乗ったまま福井市内で動けなくなった金沢市の会社員男性は「きのうの夕方からほとんど動いていない。食事も取っておらず、近くに飲食店があれば教えてほしい」と疲れ切った様子で話した。（時事）