[ エレクトロニクス ]

【電子版】米GE、復活阻む3兆円超の年金積み立て不足

(2018/2/8 10:00)

  • ジョン・フラナリーCEOが昨年8月1日に就任して以降も下がり続けるGE株(白線)。現在でも、同社が主要構成銘柄となっているダウ工業平均(青線)のパフォーマンスを50ポイント程度下回る(ブルームバーグ)

(ブルームバーグ)126年前に創業した米資本主義を象徴する製造業大手、ゼネラル・エレクトリック(GE)では、ジョン・フラナリー最高経営責任者(CEO)が深刻な頭痛の種を抱えている。 会社分割を検討し、なんとか巻き返しを図る同氏の努力に、310億ドル(約3兆3900億円)という年金積み立て不足という壁が立ちはだかる。

61万9000人を超える社員に年金給付の責務を果たすのは容易ではない。昨年8月にジェフリー・ イメルト氏からCEOが交代して以来、GEの株価は40%下落。本来ならば、ここまで大きく手を広げたコングロマリットを分割すれば、弱い部門が強い部門の足を引っ張ることがなくなり、それぞれの事業の財務的自立が促され、埋もれていた株主価値を高めることが可能になるはずだ。

しかしGEの場合、年金不足の規模があまりにも大きく、一歩間違えれば分離後の事業部門は最終的に履行不能になるような責任を背負わされかねない状況だ。

「GEの積み立て不足は突出しており、対応は困難かつやっかいになりかねない」と、ベイカーホステトラーのパートナー、ジョージャン・ピーターズ氏は語る。「積立額が十分であれば、誰も騒ぎたてはしない。著しい積み立て不足と著しい潜在債務は、事業再編において大きな要素になるだろう」と述べた。

GEはブルームバーグに電子メールで、「戦略の選択肢を評価するにあたり、当社は常に相乗効果と非相乗効果を検討し、株主に有意な価値を生み出す選択肢のみを追求する」とコメントした。GEは1月、長期介護保険事業の古いポートフォリオに関連して、予想を上回る62億ドルの費用を計上すると発表。その後、フラナリーCEOはアナリストとの電話会議で、GEの主要事業である航空、発電、ヘルスケア部門をそれぞれ 分離・上場させる案などを検討すると言明した。

原題: As GE Breakup Talk Heats Up, a $31 Billion Problem Is Overlooked(抜粋)

(2018/2/8 10:00)

おすすめコンテンツ

「現場のプロ」×「DXリーダー」を育てる 決定版 学び直しのカイゼン全書

「現場のプロ」×「DXリーダー」を育てる 決定版 学び直しのカイゼン全書

2025年度版 技術士第二次試験「建設部門」<必須科目>論文対策キーワード

2025年度版 技術士第二次試験「建設部門」<必須科目>論文対策キーワード

技術士第二次試験「総合技術監理部門」択一式問題150選&論文試験対策 第3版

技術士第二次試験「総合技術監理部門」択一式問題150選&論文試験対策 第3版

GD&T(幾何公差設計法)活用術

GD&T(幾何公差設計法)活用術

NCプログラムの基礎〜マシニングセンタ編 上巻

NCプログラムの基礎〜マシニングセンタ編 上巻

金属加工シリーズ 研削加工の基礎 上巻

金属加工シリーズ 研削加工の基礎 上巻

Journagram→ Journagramとは

ご存知ですか?記事のご利用について

カレンダーから探す

閲覧ランキング
  • 今日
  • 今週

ソーシャルメディア

電子版からのお知らせ

日刊工業新聞社トピックス

セミナースケジュール

イベントスケジュール

もっと見る

PR

おすすめの本・雑誌・DVD

ニュースイッチ

企業リリース Powered by PR TIMES

大規模自然災害時の臨時ID発行はこちら

日刊工業新聞社関連サイト・サービス

マイクリップ機能は会員限定サービスです。

有料購読会員は最大300件の記事を保存することができます。

ログイン