[ 金融・商況 ]
(2018/2/9 09:30)
(ブルームバーグ)8日の米株式相場は大幅続落。金利上昇が経済成長の重しになるとの懸念から、週初に株式市場を襲った不安感が再燃した。米国債は不安定な相場変動を経てまちまち。株式の下げ幅拡大やボラティリティー指標の上昇を受け、取引後半は買いが戻った。
S&P500種株価指数は終値ベースで2カ月ぶりの低水準。引け間際に下げが加速し、年初来の上げを消した。1月26日の最高値からの下落率が10%を超え、調整局面入りした。ダウ工業株30種平均は前日比1000ポイント超下げて終了。シカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティー指数( VIX)は31.7に上昇し、1週間前の倍の水準となった。米10年債の利回りは一時4年ぶり高水準2.88%を付けた。
S&P500種は前日比3.8%安の2581.00、ダウ平均は1032.89ドル(4.2%)下げて23860.46ドル。ニューヨーク時間午後4時50分現在、米10年債利回りは1ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下し2.82%。
ニューヨーク原油先物市場のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物は5営業日続落。5週間ぶりの安値となった。米原油供給の急増に加え、テクニカル指標で一段安の可能性が示唆されたことが重しになった。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物3月限は前日比64セント(1%)安の1バレル=61.15ドルで終了。ロンドンICEの北海ブレント4月限は70セント下げて64.81ドル。
ニューヨーク金先物相場は5営業日ぶりに上昇。ドルや米株式相場の下落が背景。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物4月限は前日比0.3%高の1オンス=1319ドルで終了した。
ボヤ・インベストメント・マネジメントのチーフ市場ストラテジスト、ダグ・コート氏は「永続的な低金利を利用してかなりレバレッジを膨らませた大口投資家がおり、彼らはその解消を余儀なくされている。現在、完全なパニック状態に陥っているかもしれない」と話した。
財務省がこの日実施した30年債入札の不調を受け、米国債のイールドカーブはスティープ化した。
原題: Stocks Hit Two-Month Low as Rate-Hike Fears Return: Markets Wrap(抜粋)Treasuries Mixed, Curve Steepens After Soft 30Y Auction(抜粋) Oil Sinks to Five-Week Low as Investors Eye Charts for Direction(抜粋) PRECIOUS: Gold Finally Catches a Break as Dollar Gains Subside(抜粋)原題: Stocks Hit Two-Month Low as Rate-Hike Fears Return: Markets Wrap(抜粋)
「市場、調整迫られている」、株急落でNY連銀総裁
【ニューヨーク時事】ニューヨーク連邦準備銀行のダドリー総裁は8日、ブルームバーグ・テレビのインタビューで、長期金利の急上昇を発端とした株価の急落について「世界景気の加速に対し、(低金利に慣れていた)金融市場が調整を迫られている。各国中央銀行が金融引き締めに着手し始めたからだ」との見方を示した。
株価急落の経済への影響については「下落が現在の水準で止まれば(わたしの)経済の見通しにほとんど影響しない」と強調。一方で「一段と下落して混乱が長期化すれば、家計消費や企業の設備投資に悪影響を及ぼし、経済見通しも変わってくる」とも語った。
(2018/2/9 09:30)