[ 機械 ]
(2018/2/15 05:00)
【圧電バルブシステム「DIGIVAL」】
シンフォニアテクノロジーとクロダニューマティクス(茨城県下妻市)が共同開発した圧電バルブシステム「DIGIVAL(デジバル)」。空気(エア)の流量をデジタル制御できることから、従来の絞り弁による手動の流量調整に比べ、高い再現性を確保した。
開発がスタートしたのは約3年前。コントローラー開発営業部に所属していた入江進氏(現電機システム本部豊橋製作所振動機工場技術部パーツフィーダーグループ)は「社内の技術を活用し、自社ブランドの高付加価値製品を生み出したい」と考えていた。
目を付けたのがパーツフィーダー(部品搬送装置)。製造ラインの自動化に貢献する装置で、シンフォニアの主力事業の一角。スマートフォンなど電子機器の小型化に伴い、超微細部品を整列させるニーズが高まり、パーツフィーダー側でも対応を検討していた。
デジバルは圧電式(ピエゾ)振動機の制御技術を応用し、吹き付けるエアの流れと量を瞬時に切り替えながら、部品の姿勢を一定に整える。入江氏がピエゾアクチュエーター技術を持つクロダニューマティクスに構想を持ちかけると、すぐに提携交渉はまとまった。
開発が始まるといくつかの壁にぶつかる。アクチュエーターを高速で動かすと、共振により弁部への悪影響が予想された。これは「パーツフィーダーで培った制御技術で共振を除去した」。入江氏が一貫してこだわってきた業界最高レベルの高速応答性と耐久性についてもハードルがあった。エアを遮断した際、漏れがあると部品(ワーク)の姿勢が崩れる。しかし、完全に遮断すると応答性が悪化する。「逃げたら絶対にダメだ」。技術者魂に火が付いた。
弁部の素材の一部変更により「エアの漏れを最小化しながら、寿命、高応答性ともに確保」。2016年末に試作品を完成し、17年1月の展示会でお披露目した。デジバルを搭載したパーツフィーダーの販売は好調だ。画像処理装置を組み合わせた「スマートパーツフィーダー」はIoT(モノのインターネット)時代にふさわしく、歩留まり低下を防ぐ自己修正機能を備える。今後は、「電子部品の外観検査装置などにも売り込んでいきたい」と前を見据える。(編集委員・鈴木真央)
(おわり)
【製品プロフィル】
業界最高速レベルの0.3ミリ秒の応答性を確保しつつ、圧電素子を電子制御することで連続10億回以上の高耐久性を実現した。バルブは1台で二つの出力を持っており、省スペース化にも貢献する。バルブを制御するコントローラー側には外部通信機能を搭載し、遠隔での流量設定が可能。販売目標は短期で2万台(売上高4億円)、中長期では20万台。
(2018/2/15 05:00)