[ ICT ]
(2018/2/24 08:30)
攻撃性を増す北朝鮮のハッカー集団は、同国に協力してきた数少ない外国企業にもいまや牙をむけている。
事情に詳しい関係者によると、エジプトの通信会社オラスコム・テレコム・メディア・アンド・テクノロジー・ホールディングのデスクトップおよびラップトップ型コンピューター数十台が、北朝鮮のサイバー部隊に侵入された。富豪のナギブ・ サウィリス氏が経営するオラスコムは、北朝鮮の通信網構築を支援。その結果、数百万人もの北朝鮮国民が携帯電話を使用できるようになった。
問題が公表されていないことから匿名で話した関係者らによれば、ハッカーらはマルウエアを仕組んだ電子メールを送付し、アドビ・フラッシュの脆弱(ぜいじゃく)性を利用して不正アクセスに成功した。この脆弱性はその後、専門家が修復したという。
オラスコムは2008年に北朝鮮で合弁会社「コリョ(高麗)リンク」を設立。サウィリス氏は昨年CNBCに対し、同社には2億5000万ドル(約270億円)を投資したと話していた。だがオラスコムは北朝鮮部門の経営管理や利益還流が思うようにいかず、2015年の財務報告で「コリョリンクの活動に対する支配力は失われた」と明らかにした。
ハッキングについて、オラスコムの広報担当者は「弊社が関知する限り、サイバー攻撃の標的にされたことはない」としつつ、「サイバーセキュリティーを極めて真剣に捉えており、弊社とその権利を守るため可能なあらゆる措置を取っている」と答えた。(ブルームバーグ)
(2018/2/24 08:30)