[ 政治・経済 ]

【電子版】中国・国家主席の任期撤廃へ 習氏長期政権に布石

(2018/2/26 11:00)

  • 中国の習近平国家主席(17年10月、AFP=時事)

 【北京時事】新華社電によると、中国共産党中央委員会は25日、憲法が規定する2期10年の国家主席と副主席の任期を撤廃することなどを求める憲法改正に関する提案を発表した。2013年に就任した習近平国家主席(党総書記、64)が23年以降も主席にとどまり、長期政権を可能にする狙いがあるとみられる。

 中国の憲法第79条第3項は、国家主席と副主席の任期について「2期を超えて連続して就任することはできない」と定め、3選を禁じている。党中央委はこれを削除し、「全国人民代表大会(全人代、国会に相当)の毎期の任期と同一とする」との部分だけ残すよう求め、任期の上限を事実上なくした。

 憲法改正案は3月5日に開幕する全人代で審議され、可決される見通し。中国の憲法改正は2004年以来14年ぶり。

 習主席は就任以来、反腐敗を旗印に政敵を次々に摘発し、「1強体制」を築いてきた。昨年10月の党大会では、自らの名前を冠した指導思想を毛沢東思想などと並べて党規約に明記することに成功。「今世紀半ばまでに社会主義現代化強国を築く」との新たな国家目標も提示し、長期政権への意欲をのぞかせていた。党のトップである総書記については、党規約に任期を定めた明確な規定はない。

 3月の全人代では、国家副主席に、習氏の盟友で定年の慣例に従い党最高指導部から昨秋退いた王岐山・前党中央規律検査委員会書記(69)が起用されるとの観測も出ている。

 党中央委の提案は21項目に及び、習氏の指導思想と、胡錦濤前国家主席が提唱した「科学的発展観」を憲法に明記することや、すべての公職者の汚職を取り締まるため新設する「国家監察委員会」を国家機関として位置付けることを要求。監察委のトップである主任の任期は連続2期までに制限した。また、「中国共産党の指導が中国の特色ある社会主義の最も本質的な特徴だ」との一文も追加するよう求めた。

(2018/2/26 11:00)

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