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[ 科学技術・大学 ]
(2018/3/2 05:00)
東京工業大学理学院地球惑星科学系の平野照幸助教らは、地球から200光年(1光年は光が1年間に進む距離で9兆4600億キロメートル)の距離にあり、太陽以外の恒星を周回する「太陽系外惑星」の中で、表面に液体の水が存在する可能性のある惑星を発見した。この惑星を持つ恒星は低温の恒星の中でも明るい。追加観測で実際に水があるかを探査する良い標的になるという。惑星の形成過程の解明につながる可能性がある。
地球は約5500度Cの太陽の周りを回っている。研究グループは、国内外の望遠鏡の観測データを解析し、太陽より温度が低い約3700度C以下の「M型矮星(わいせい)」10個と、それを周回する地球の3倍以下の大きさの太陽系外惑星を15個発見した。その中で最も明るい恒星を回る一番外側の惑星が、「生命居住可能領域」(ハビタブルゾーン)に存在することが分かった。この惑星は可視光で明るいため、惑星質量の精密測定や大気の探査などの標的となる。
さらにM型矮星を回る惑星を解析。半径が地球の1・5―2倍の惑星が少ないことや、同3倍を超える巨大惑星が金属を多く含む恒星の周りにのみ存在するなど、太陽型の恒星の周りで見つかる惑星と似た特徴を持つことを突き止めた。
米科学誌アストロノミカル・ジャーナル電子版に掲載された。
(2018/3/2 05:00)