- トップ
- 科学技術・大学ニュース
- 記事詳細
[ 科学技術・大学 ]
(2018/3/4 07:00)
すばる望遠鏡の新型超広視野カメラによる観測から作成した暗黒物質の3次元分布地図の一部(国立天文台・東京大提供、時事)
すばる望遠鏡の新型カメラで広範囲・高解像度
国立天文台と東京大などの研究チームは27日、米ハワイ島のすばる望遠鏡に搭載された新型超広視野カメラ(HSC)を使い、宇宙の全質量の約4分の1を占める「暗黒物質」の分布地図を作成したと発表した。従来にない広範囲、高解像度の地図という。
暗黒物質の分布状況の解明が進めば、宇宙が加速膨張を続けているとする理論の検証や、銀河や銀河団といった巨大天体の形成過程解明につながると期待される。
HSCは2013年に本格稼働。地上から見える満月9個分の広い範囲を、高解像度で一度に撮影できる。
研究チームは、遠くの天体の光が暗黒物質の重力で曲がって届く「重力レンズ効果」をHSCで観測し、目に見えない暗黒物質の分布を明らかにする研究を14年2月から6年計画で始めた。今回は解析が終わった約2年分の観測結果を使い、従来の80倍の範囲に及ぶ地図を作成した。
その結果、暗黒物質が一定以上集まった「かたまり」の数が、理論的な予測より少ないことが判明。観測データが十分でないため断定できないが、宇宙の膨張速度が速いほど暗黒物質は集まりにくいことから、過去の膨張速度が理論より速かった可能性があるという。(時事)
(2018/3/4 07:00)