[ 政治・経済 ]

【電子版】トランプ大統領の輸入関税、メンツつぶされた中国 対米報復か忍耐か

(2018/3/3 21:00)

トランプ米大統領(ワシントン=ブルームバーグ)トランプ米大統領(ワシントン=ブルームバーグ)

 【北京時事】トランプ米大統領が鉄鋼とアルミニウムの輸入制限に関する文書に署名すると表明したのは、習近平・中国国家主席の側近がワシントンに乗り込み、米政府高官と交渉に臨んだ当日だった。中国はメンツをつぶされた形で、不信感を募らせたのは間違いない。対米報復に動くか、これまで通り忍耐を続けるかを慎重に検討しているようだ。

 中国が派遣したのは、習主席の経済ブレーンを務める劉鶴・中央財経指導小組弁公室主任。習氏が全幅の信頼を置き、経済担当副首相に近く就任するとの観測が強い実力者だ。米ハーバード大留学で築いた太いパイプを生かし、輸入制限措置を見送らせるのが訪米の最大の任務だった。

  • トランプ大統領の輸入関税表明は習主席の側近がワシントンに乗り込み、まさに米政府高官と交渉に臨んだ当日だった(ブルームバーグ)

 中国は、トランプ氏が発動決定は来週だと説明したことにも神経をとがらせる。週明け5日に全国人民代表大会(全人代、国会に相当)が開幕するからだ。習主席の権力基盤を一層強固にする政治ショーだけに、対米弱腰の印象は好ましくない。

 中国は「協力が両国の唯一の正しい選択」(商務省米州大洋州局)との姿勢だが、報復もちらつかせる。米国産モロコシ(ソルガム)のダンピング(不当廉売)調査を始めており、「次の標的は本丸の大豆」(業界関係者)とささやかれる。

 米政権は中国の知的財産権侵害も問題視しており、幅広い分野で米中の駆け引きが続きそうだ。中国は市場開放や規制緩和などの対米譲歩案も提示していくとみられる。

(2018/3/3 21:00)

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