[ ロボット ]
(2018/3/11 12:00)
ルービックキューブの6面の色を文字通り瞬く間、わずか0.38秒でそろえる世界最速のロボットが登場した。開発したのは米マサチューセッツ工科大学(MIT)バイオミメティックロボティクス研究所の2人。2016年にドイツの半導体メーカー、インフィニオンのエンジニアが打ち立てた0.637秒というロボットでの世界記録を更新した。
快挙を成し遂げたのはMITバイオミメティックロボティクス研の学部研究助手を務めるジャレッド・ディ・カーロ氏と学生のベン・カッツ氏。それぞれロボットのソフトウエアとハードウエアを担当した。
2人は処理を高速化するには高性能の電動モーターが必要と考え、イナーシャ(慣性)に対してトルクの高い米コルモーゲンのサーボディスクモーターを6個採用。ステッピングモーターを駆動させるコントローラーは自作した。
当初はモーターを90度回転するのに約15ミリ秒かかっていたが、調整を繰り返し約10ミリ秒にまで時間を縮めることができた。また、カッツ氏は高速でキューブの面を回せたコツについて、「キューブをかなりきつく固定した」と自身のブログで明らかにしている。
一方、画像処理用にはテレビゲーム機「プレイステーション」の周辺機器であるプレイステーション・アイのウェブカメラを2個購入。それぞれ装置上下の反対側の隅に設置した。こうして全6面のリアルタイム情報を毎秒187フレームの画像としてリナックスOSのパソコンに取り込み、ソフトが色を判別。面の色を全部そろえるのに必要な動きの順番を計算し、モーターのコントローラー側に指令を出す。
こうした面の画像情報の取得と計算には約45ミリ秒かかり、キューブを連続して回転させる動作時間は約335ミリ秒だったという。
使用したソフトウエアはソフトウエア共有サイトのギットハブ(GitHub)で公開している。
【↓ルービックキューブを0.38秒でそろえた時の映像(ベン・カッツ氏のユーチューブから)】
【↓失敗してキューブを壊した時も(ベン・カッツ氏のユーチューブから)】
(2018/3/11 12:00)