[ 人物 ]
(2018/3/26 05:00)
人と自然“良い案配”探る
「港区はとても緑が多いんです」と教えてくれるのは森ビルの中右麻衣子さん(33)。「虎ノ門ヒルズレジデンシャルタワー」(東京都港区)などの再開発プロジェクトで植栽計画を担当。人と自然のあり方の“良い案配”を日々探る。再開発で「エリア同士の緑がつながる」街の姿にやりがいを感じる毎日だ。
大都市を緑あふれる街に
子どものころから環境問題に関心がありました。京都大学の農学部森林科学科に進学したのも、アマゾンの森林が切り倒される様子をテレビで見たのがきっかけです。
進学後に知ったことは、日本の大都市で自然と触れ合うことは難しく、ぜいたくなことだということ。研究テーマは「緑が人の心身に及ぼす影響」を選びました。緑にはストレスを緩和し、空気環境の改善やコミュニティーづくりにも効果があります。そんな緑の価値を学んだことが、都市の緑化に直接携わる今の仕事に役立っています。
仕事では人とのコミュニケーションを大切にしています。都市緑化はプロジェクトが始まると、メンバーと10年以上の付き合いになるのが当たり前。良い関係を築くのは円滑に仕事を進める上で非常に大事です。誰だってギスギスした関係で仕事をしたくないですよね。関西人なので笑いもとりつつ、会議でも場がなごむように心がけています。
現在手がけている麻布台のプロジェクトが完成したら、その後はソフトの面で街を育てていきたいです。東京・港区を生き生きとした緑あふれる、外で活動するのが心地よいと思ってもらえる街にしたいと思っています。
休日は庭園を見に行くことが多いです。華やかなイングリッシュガーデンを見ると気分が上がりますね。リフレッシュできます。森ビルの「アークヒルズ」にも素敵な庭があります。桜の名所でもあるので、みんなが手塩にかけて育てた緑を見に来てほしいです。
(文=斎藤正人、写真=北山哲也)
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◇森ビル設計部
(2018/3/26 05:00)