[ 政治・経済 ]
(2018/4/3 17:30)
【北京時事】中国の崔天凱駐米大使は3日までに、中国国際テレビとのインタビューで、米国が中国の知的財産権侵害を理由にした対中貿易制裁を正式に決めた場合、「同じ規模」の報復を行うと表明した。最大600億ドル(約6兆3600億円)となる可能性があり、米中が「貿易戦争」に突入するのは必至だ。
トランプ米政権は今週、中国製品に高関税を課す制裁案を公表する見込み。最大600億ドル相当の中国からの輸入品が対象になるとみられ、中国はこのリストを精査した上で報復する構えだ。
米政権のナバロ通商製造業政策局長はCNBCテレビに対し「米中間で報復の応酬は予想しない」と語り、貿易戦争に発展しないとの見方を示した。これに対し、崔大使は「中国は断固として同じ規模、同じ金額、同じ強度で反撃する」と宣言した。
中国は2日、米国による鉄鋼・アルミニウムの輸入制限に対抗し、米国産豚肉などを標的にした報復を開始。ただ、対象となった128品目の2017年の輸入額は30億ドルにすぎず、通商関係者の間では影響は大きくないとみられている。
しかし、知財権問題では報復の規模が桁違いに大きくなるため、報復の応酬となれば、「貿易戦争を意味する」(通商筋)とされ、日本を含む世界経済に影響が及ぶのは不可避だ。
米中はいずれも強硬姿勢を崩さないものの、水面下では落としどころを探っているもようだ。中国は米産品の輸入拡大や市場開放などの譲歩案を提示しているとみられる。
(2018/4/3 17:30)