目視によるメーター点検業務が不要に-カメラ利用型メーター自動読み取りサービス【日立システムズ/PR】

(2018/4/23 00:00)

中小製造業向けに拡販

 日立システムズは、工場内の生産設備や分電盤、配管などに設置された各種メーターから画像と数値データを自動で収集する「カメラ利用型メーター自動読み取りサービス」を発売した。市販のネットワークカメラ(IPカメラ)で撮影した画像をPCで解析し、数値データ化することで、従来、作業員が巡回して目視確認していたメーターの点検業務を不要にする。運用費用は1メーター当たり月額500円からと低価格。人手不足を補う手段の1つとして、主に中小製造業向けに拡販する。

市販カメラを活用

  • 社会情報サービス事業部社会システム第三本部技師 西海香理氏

 少子高齢化が進み、人材の有効活用が求められデジタル化が進む中、工場などではデジタル化が遅れている業務は少なくない。作業員が工場内を一定周期で巡回し、目視で各種メーターの数値確認を行う業務はその1つ。移動距離が長い工場や作業効率の悪い場所が多い場合、1回の点検でも多くの時間が費やされる。こうした中、日立システムズは既存設備のメーターから、メーターの画像と数値を自動で取得できるシステムを開発。「カメラ利用型メーター自動読み取りサービス」として販売を始めた。

 メーターの読み取りには、設備を改修してセンサやスマートメーター(通信機能付き電力量計)を設置する方法もあるが、多額のコストがかかる。「機械にメーターが埋め込まれている古い設備でも『機械が壊れないうちは設備を更新したくない』というニーズは多い。そこで、コストのかかるセンサなどは用いず、安価なIPカメラを利用して目的を達成するのがこのシステムの狙い」と社会情報サービス事業部社会システム第三本部技師の西海香理氏は話す。

目視以上の高い認識率

 メーターの前にカメラを設置し、メーターの種類を設定するだけで、あとは自動でメーターを撮影する。システムには、一定周期で画像を取り込むプログラムがあり、撮影した画像は無線LANなどでPCに集められる。その画像を解析して、数値データに変換する仕組みだ。丸形、角形、温度計などのアナログメーターやLED、液晶、電力量計のデジタルメーターなど、8種類のメーター読み取りに使える。

 通常、設備の更新や改修時にはラインを止めなければならないが、同システムは市販カメラを外付けして利用できるため、ラインを止める必要はない。

  • システム概要

 点検監視頻度を増やせることも特長の1つ。プログラムの設定次第では、30分に1回、あるいはそれ以上に細かい頻度で確認できるようになる。これらの機能を上手に活用して時系列でデータを見れば、設備の稼働状況や不具合につながる予兆なども把握しやすくなる。

 ある製造業での実証事例では、それまで作業員が2時間に1回、巡回確認していたものを同システムの導入に合わせて15分に1回に変更。工場内にある36台のメーターを対象に従来の目視による作業と比較したところ、作業効率が改善されただけでなく、1回当たりの認識率は99%を超え、目視以上の高い精度が確認できた。

グラフ表示やクラウド利用も計画

 「メーター数が数十台以上であれば、効果は出やすい」(西海氏)。人手の作業には抜け漏れや誤認が伴うが、自動化すれば、メーターの確認漏れもなくなり、精度が向上するからだ。また数値や特異値の妥当性を確認したいときは、撮影時の画像を確認することもできる。

 最大の魅力は1メーターあたり月額500円から(初期導入費用を除く)という安価な費用で運用できること。現在は画像解析の結果として得られるメーター数値をCSV出力するサービスだが、今後はデータ補正やデータ閲覧機能を強化してグラフ表示などで画面を「見える化」し、設備の傾向などが把握しやすい機能も提供していく。またオンプレミス(自社設置型)サービスに加え、クラウド利用のサービスも開始する計画だ。

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(2018/4/23 00:00)

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