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[ 建設・住宅・生活 ]
(2018/4/12 13:30)
ITバブル期以来のテナント入札も
都心オフィスビル賃料の上昇が今年に入り加速している。IT企業が集まる東京・渋谷ではテナントを入札で選別する動きも出ている。
オフィス仲介の三鬼商事によると都心5区(千代田、中央、港、新宿、渋谷)の平均賃料は2017年まで4年連続で上昇、少なくとも01年以降で最長を更新した。前月比上昇率は18年も2月までで0.85%とこの4年で最高。人工知能(AI)といったIT発展で情報通信業界をはじめ就業者が伸びていることが背景だ。都の産業別就業者数で情報通信業は17年で72万4000人と卸売業・小売業などに続き3番目に多い。
若者の街の渋谷はIT企業の集積地で、「渋谷第一生命ビルディング」の空室で入居希望者に対して初の入札をしていると保有者の第一生命の後藤敬・不動産部部長が明らかにした。米グーグルは日本拠点を現在の六本木ヒルズから渋谷ストリーム(旧渋谷駅南街区)へ2019年に移転するなど渋谷はIT系やソフト開発企業に人気化、テナント企業の入居ニーズが高まっているという。
オフィス仲介やコンサルティングを手掛ける三幸エステートの今関豊和チーフアナリストは、渋谷でのテナント入札について「貸し手市場感の高まりを示し、06、07年のファンドバブル時や2000年代初めのITバブルの時にもあった」と指摘した。
渋谷区のオフィス空室率は2月末で0.6%と千代田区の1.15%を下回るという。背景のオフィス賃料上昇については「今後1年半程度は続く」と予想した。(ブルームバーグ)
(2018/4/12 13:30)