[ ICT ]
(2018/4/12 16:30)
米シリコンバレーで億万長者を見つけることは難しくない。今年も既にドロップボックスの共同創業者アラシュ・フェルドーシ氏、ヴィーバ・システムズの共同創業者ピーター・ガスナー氏が共に億万長者の仲間入りをした。世界の富豪上位500人のランキングであるブルームバーグ・ビリオネア指数では、テクノロジー企業関連の資産が計1兆ドル(約106兆円)と、全体の5分の1を占める。
しかし、時価総額が8790億ドルと世界最大のアップルでは、社内で億万長者を探してもほとんど見つからないという結果に終わる。
アップル内部で保有資産が10億ドル以上なのはアート・レビンソン会長のみ。その上、同氏の資産10億ドルのうちアップル株が占める割合は20%に過ぎない。残りは、早い時期から保有するグーグル株や、長年にわたり会長兼最高経営責任者(CEO)を務めたジェネンテックに由来する資産などだ。
他のアップル社内関係者はこれに遠く及ばず、ティム・クックCEOの資産は約6億ドル。これは同社の規模や業績と比較すると低めに抑えられている報酬プログラムが原因だ。
米上場企業幹部の報酬ランキングであるブルームバーグ報酬指数から判断すると、アップルの幹部はお値打ちだと言える。同社の税引後営業利益から資本コストを差し引いた経済的利益に対する幹部報酬コストの比率は、直近の会計年度で幹部の報酬が上位200位に入った企業の中で最低だった。
このことは社内関係者による自社株保有が比較的少ないことにつながっており、同社が1997年に破綻寸前の状態から回復して以来、名前が知られている億万長者をほとんど輩出していないという事実を裏付けている。
レビンソン氏(68)はこれまで国際的な長者番付に登場したことはない。アップルにレビンソン氏やクック氏の純資産についてコメントを求めたが、返答は得られていない。(ブルームバーグ)
(2018/4/12 16:30)