[ ICT ]
(2018/4/13 16:30)
米アップルが1月に「ホームポッド」を発売した際、スマートスピーカーの先駆者で、アマゾン・ドット・コムの人工知能(AI)アシスタント「アレクサ」を搭載した「エコー」が市場を席巻していた。アップルはホームポッドの優れた音質を売り込んだが、これまでのところ349ドル(約3万7500円)の価格で多くの消費者を引き付けるには至っていない。
事情に詳しい関係者1人によると、アップルは3月下旬までにホームポッドの販売予想を引き下げ、組み立てメーカーの1社である英業達(インベンテック)への発注を削減した。
ホームポッドは当初、ヒット商品になり得ると受け止められていた。予約注文は好調で、スライス・インテリジェンスがブルームバーグに提供したデータによると、1月最終週にはスピーカー市場でホームポッドが台2数ベースで約3分の1のシェアを占めていた。しかし、スライスの主任アナリスト、ケン・カサー氏は、ホームポッドの店頭到着時までには売れ行きは落ち込み始めていたと言う。
スライス・インテリジェンスによると、ホームポッドは発売後10週間で市場シェアが10%にとどまり、アマゾンのエコーの73%や「グーグル・ホーム」の14%を下回った。アップルはコメントを控えた。
アップルにはホームポッドをスマートホームや「iPhone(アイフォーン)」に連動しないその他機器の新たなエコシステムの中核に据えるチャンスがあったが、実際にはそうした製品にはなっていない。ホームポッドは市場をリードする音質を届けるが、アイフォーンに大きく依存する上、デジタルアシスタント機能が限定的であることに消費者は気づいた。
(2018/4/13 16:30)