[ 政治・経済 ]
(2018/4/23 05:00)
【ワシントン、北京時事】ムニューシン米財務長官は21日、ワシントンで記者会見し、日本との2国間での自由貿易協定(FTA)に期待する考えを明らかにした。また、米中貿易摩擦をめぐり「中国訪問を検討している」と語った。中国側も長官訪中を歓迎すると表明、摩擦解消に向け話し合いに応じる意向を示唆した。
ムニューシン氏は、17~18日の日米首脳会談で合意した新たな2国間貿易協議を踏まえ、対日FTAを望んでいるかと問われ、「その通りだ」と明言した。麻生太郎財務相との20日の会談では「自由で公正、相互的な貿易ができるよう、2国間の話し合いを望んでいると述べた」と説明。FTAを通じ、対日貿易赤字削減を図る姿勢を強調した。
日本は多国間貿易協定に軸足を置き、米国に環太平洋連携協定(TPP)への復帰を促している。一方、トランプ政権は相手国に譲歩を強く迫る狙いで2国間FTAを志向し、両国の戦略は方向性が異なっている。
ムニューシン氏はまた、中国による自動車分野の外資規制撤廃など、市場開放への取り組みを評価。貿易摩擦の解決に向けた合意ができるかについては、「慎重ながらも楽観している」と述べた。
これに対し、中国商務省の報道官は22日、長官訪中を「歓迎する」とのコメントを発表した。中国側はこれまで、米国の強硬姿勢を理由に公式協議に難色を示していたが、事態打開に向けて動く意向だ。市場開放に加え、米産品の輸入拡大などで摩擦解消を目指すとみられる。
(2018/4/23 05:00)