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[ 医療・健康・食品 ]
(2018/4/25 14:30)
武田薬品工業の株価は25日、一時前日比9.3%安と2013年5月以来の日中下落率となった。同社はバイオ医薬品メーカーのシャイアーに対し新株の発行と現金を組み合わせて1株当たり約49ポンド、総額460億ポンド(7兆円)の修正提案を提出したことを発表した。
シャイアーも同社の取締役会が株主に対して修正提案を受け入れるよう求める方針であることを武田薬に伝えたと発表した。両社の発表資料によると、直近の提案内容は、株式による支払いが27.26ポンド(56%)、現金21.75ポンド(44%)となる。武田薬が買収の検討を公表する前日(3月27日)の同社株の終値に60%の上乗せとなる。
買収が実現すれば、日本企業による外国企業買収としては過去最大規模になる。武田薬は先週、金額を引き上げ、現金支払いの割合を増やす提案を出していた。武田薬の25日午前の取引時間中の安値は4398円と、23日終値と比較し11%安となっており下落基調が続いている。そのため株式での支払い分については新株をより多く発行する必要があり、希薄化が進展する可能性がある。
英国の企業買収規則に基づき武田薬は英国時間25日午後までに正式提案するか、あるいは断念するかを表明することが求められていた。武田薬によると、シャイアーは5月8日午後5時までの意思表明期限の延期を申し入れており、さらに延長される可能性もあるとしている。
いちよしアセットマネジメントの秋野充成執行役員は、株価下落の背景について、株主が「武田がハンドリングできない可能性があると、買収をネガティブに捉えているのではないか」との見方を示した。巨額の買収資金調達には問題がないとした上で、「問題は買った後のオペレーション。買収して経営がうまくいくのかどうか注視していく必要がある」と指摘した。
また、希薄化が嫌気されて「さらに株価が下がる可能性も十分ある」と分析。その場合、逆に「武田が買収される可能性も出てくる」と話した。(ブルームバーグ)
(2018/4/25 14:30)