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[ 自動車・輸送機 ]
(2018/5/25 11:30)
【ニューヨーク、ワシントン=時事】トランプ米政権が安全保障を理由に、輸入車への新たな関税導入の調査を始めたことについて、トヨタ自動車は24日、「信じ難い」と訴えた。米業界などからも異論や批判が相次いだ。
トヨタは声明で、巨額の対米投資や13万人超の米従業員に触れ、トランプ政権が掲げる「米国の雇用と成長」の実現に大きく貢献してきたと強調。業界の持続的な成長のためには「自由で公正な貿易が最善」と主張した。
日米欧の自動車メーカーなどで構成する米自動車工業会(AAM)も「(輸入車は)安保上のリスクをもたらすものではない」と批判した。輸入車の価格上昇を招けば、生産体制のグローバル化を進めてきた自動車メーカーや輸入業者の経営、消費者に影響が及ぶとみられている。
米商工会議所のドナヒュー会頭は声明で「国内産業に大打撃を与え、貿易戦争を引き起こす」と強く反対を表明。保護主義的な傾向を強める米政権の対応を批判した。
一方、カナダのトルドー首相はロイター通信とのインタビューで、米、加、メキシコ3カ国による北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉と「非常に強く関連する動きだ」と指摘。再交渉の主要争点である自動車分野でカナダ、メキシコから譲歩を引き出す狙いだと示唆した。
米商務省は23日、米通商拡大法232条(国防条項)に基づき、自動車と同部品の輸入増加が「安保上の脅威」になっているか調査を開始。現在2.5%を課す乗用車の関税に最大23%上乗せする案が浮上している。
(2018/5/25 11:30)