[ ICT ]
(2018/5/25 12:00)
米アマゾン・ドット・コムの音声アシスタント「アレクサ」を搭載するスマートスピーカー「エコー」が米オレゴン州ポートランドの夫婦の会話を誤って録音し、知らぬ間に知人に送ってしまう出来事があった。
KIRO7の報道によると、この夫婦は会話の内容が送られてきた知人から電話を最近受け、「アレクサ搭載機器を今すぐ切って。ハッキングされている」と伝えられた。夫婦は室温や照明、セキュリティー管理などで音声起動型のアマゾン機器を複数使用していたという。
アマゾンは23日、電子メールで配付した資料で今回の出来事に至った経緯を説明。それによると、夫婦の会話から通常録音が始まるきっかけになる「アレクサ」と聞こえる単語を聞き取りエコーが起動。その後、会話から「メッセージを送って」と聞こえた時点で、エコーが「誰に?」と尋ねた。夫婦はその後も話し続け、エコーは会話の一部を解釈して連絡先リストから名前を特定。その連絡先にメッセージを送りたいのかと音声で確認すると「そうだ」と聞き取ったという。
アマゾンは、「こうした出来事が起きる公算は小さいが、今回のケースのような可能性をさらに低くする選択肢を検討している」と説明した。
テクノロジーへの法適用を研究するワシントン大学のライアン・カロ准教授(法律学)は、偶然、あるいは起動させる言葉を発していないにもかかわらずエコーが作動してしまう程度なら人々は大目に見る姿勢にあったが、今回は私的な会話が録音され、第三者に送られたという意味でより憂慮すべき事態だと述べた。(ブルームバーグ)
(2018/5/25 12:00)