[ ICT ]
(2018/5/26 14:00)
米アップルは、同社の社員がオフィス間の移動で利用できる電動式の自動運転車両を、ドイツのフォルクスワーゲン(VW)と開発する。米ニューヨーク・タイムズなど、複数のメディアが報じた。アップルは2017年から、開発中の自動運転テクノロジーを市販車へ搭載、シャトル便として活用する計画を進めていた。これまでBMWやメルセデス・ベンツなど複数の完成車メーカーとの間で連携を模索していたが、設計とデータ管理のハンドリングを主張するアップルの要求に折り合いがつかず、プロジェクト交渉は不調に終わっていた。
●アップル、自動運転車のシャトル便導入へ-車体からシステム開発にシフト(2017/8/24)
計画では、必要に応じてオペレーターが乗車しながら、シリコンバレーのアップル本社敷地内で社員の新しい移動手段となる。自社の自動運転システムを市販車に搭載してシャトル便とし、公道での走行試験に役立てる狙いがある。
ニューヨーク・タイムズなどによると、アップルのVWプロジェクトのコードネームは「ジェットストリーム(Jetstream)」。ベース車両はVWのバン「T6トランスポーター」。VW子会社のイタリアにあるファクトリーで自動運転と電気自動車(EV)へのカスタマイズが行われる見通し。T6トランスポーターのフレームやシャシーは原形をとどめるが、ダッシュボードや座席など多くの装備がアップル仕様に置き換えられるほか、センサーやバッテリー搭載なども加わり、改良は大幅なものになるという。
アップルは14年から、「タイタン」というプロジェクトで自動運転車本体の開発を進めていると報じられていた。だが、16年に車両の開発・製造をあきらめて自律システム向けソフトウエア開発に方針転換。翌年の7月、ティム・クックCEOがブルームバーグとのインタビューで「自動運転システムに焦点を絞っている」と明らかにしていた。
(2018/5/26 14:00)