[ 政治・経済 ]
(2018/6/1 13:30)
【ワシントン=時事】米議会の与党共和党執行部は31日、トランプ政権によるカナダ、メキシコ、欧州連合(EU)の鉄鋼とアルミニウムへの関税適用決定に相次いで反対する意向を表明した。同盟国に対する措置に「間違った標的を攻撃」(ブレイディ下院歳入委員長)と懸念を示した。
ライアン下院議長は声明で、関税の適用決定に「同意しない」と明言。「中国のような不公正な貿易慣行国の問題に取り組む上で同盟国と協調すべき中、(関税適用は)同盟国を標的にしている」と問題視した。
ブレイディ委員長は、トランプ政権に「米国の安全保障上、重要なパートナー」への適用除外と協議を続けるよう要請。「関税が米企業に与えている無差別的な被害について、政権は議会で説明する必要がある」と訴えた。
関税は「逆効果」、自動車業界からも懸念
【ニューヨーク=時事】米政府が31日、鉄鋼とアルミニウムの輸入制限をこれまで除外してきた欧州連合(EU)とカナダ、メキシコにも適用すると決めたことで、米自動車業界からは「逆効果になる」などと懸念の声が相次いだ。
日欧韓の自動車メーカーなどで構成される米業界団体グローバル・オートメーカーズは、輸入制限で原材料などの価格が上昇すれば、不利益を被るのは米産業と消費者だと指摘。米国が報復関税を課される可能性にも言及し、「打撃はさらに増大する」と警告した。
また、米自動車大手によるロビー団体、米自動車政策評議会も、今回の決定が「米自動車産業の国際競争力を損なう」と主張。鉄鋼・アルミをめぐる「不公正な貿易慣行」の是正に取り組むことは理解できるとしつつ、協議を通じた問題解決を急ぐよう促した。
(2018/6/1 13:30)