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[ エレクトロニクス ]
(2018/7/26 11:30)
米クアルコムは25日、オランダのNXPセミコンダクターズを440億ドル(約4兆8800億円)で買収する計画について、土壇場で中国の独禁当局の承認が得られない限り、断念すると表明した。半導体業界で過去最大級の買収を目指した1年8カ月にわたる試みは終了する。
合意条件では、クアルコムはニューヨーク時間午後11時59分(日本時間26日午後0時59分)までに中国当局の承認を得る必要がある。中国当局は米国との貿易摩擦の高まりを背景に、何カ月にもわたり承認を遅らせていた。発表資料によると、買収契約を破棄する場合はクアルコムはNXPに違約金20億ドルの支払いなどを行う計画。
2016年10月に公表した買収合意が破談となれば、両社にとって打撃となる。携帯電話用半導体メーカーで世界最大手のクアルコムはNXP買収について、自動車用半導体事業への進出に弾みをつけ、スマートフォン市場への依存を減らす手段と位置付けていた。クアルコムによる買収手続き完了を2年近く待たされてきたNXPの経営陣は今後、独立した企業として力強い未来があると顧客や投資家に説得する方法を見いだす必要がある。
クアルコムのスティーブ・モレンコフ最高経営責任者(CEO)はインタビューで、「タイミングを変えるだけの価値があるものは目先見当たらなかった。われわれよりも大きな力がここに作用しているのだろう」と述べ、「この買収とその背後のロジックをわれわれは引き続き熱烈に支持している」と語った。
クアルコムの発表を受け、NXPの株価は時間外取引で1.6%下落し96.79ドル。クアルコムは約3.4%上昇した。クアルコムはNXPに対し1株当たり127.50ドルの買収価格を提示していた。買収は両社の株主と欧州、米国などの政府機関から承認されており、あとは中国の承認を得られれば手続きが完了する。
同時に発表した4-6月(第3四半期)決算では、売上高はアナリスト予想を上回った。7-9月(第4四半期)の売上高も好調な見通しを示した。25日の発表資料によると、7-9月期の売上高は51億-59億ドルとなる見通し。ブルームバーグが集計したアナリスト予想平均は54億6000万ドルだった。
4-6月期の1株利益は一部項目を除いたベースで1.01ドル、売上高は56億ドルだった。アナリストの予想平均は1株利益が70セント、売上高は51億9000万ドル。(ブルームバーグ)
(2018/7/26 11:30)