[ ICT ]
(2018/8/2 13:30)
米グーグルは中国政府がデリケートと見なす検索結果を表示しない検索エンジンを準備している。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。
このイニシアチブは「ドラゴンフライ」のコードネームが付けられており、同社が中国への復帰を目指す選択肢の1つ。ただ、投入のタイミングは依然として未定だという。関係者は非公開の計画だとして匿名を条件に話した。
この動きはアルファベット傘下のグーグルによる180度の方針転換となり、インターネット上で言論の自由を抑圧する中国共産党政権にとっては勝利となる。
共産主義のロシアから親に連れられ米国に来たグーグル共同創業者セルゲイ・ブリン氏は、検索結果の自主検閲を拒否して2010年に中国本土の検索エンジンを閉鎖した同社の劇的な撤退を指揮した。ブリン氏はその後、日常業務から退いており、現在同社はサンダー・ピチャイ最高経営責任者(CEO)が率いている。ただ、他のグーグル社員は8月1日の報道に憤りを覚えている。
グーグルの研究員メレディス・ウィテカー氏はツイッターで、グーグルの行動は「(AI対応)検索に関する大規模な政治的検閲を可能にするものだ」と批判し、人権について幅広く受け入れらた原則に背く技術を構築しないことを盛り込んだ グーグルの最近の約束に反する恐れがあると指摘した。
ニュースサイトのジ・インターセプトの報道によると、グーグルは2017年の春からドラゴンフライに取り組んでおり、検閲済みバージョンの検索アプリを中国当局者に実際に見せた。アプリの最終版は6ー9カ月以内に投入される可能性があるという。ジ・インターセプトは会社資料や事情に詳しい関係者の話を匿名で伝えた。(ブルームバーグ)
(2018/8/2 13:30)