[ オピニオン ]
(2018/8/15 05:00)
73回目の終戦記念日を迎えた。日本の戦後からの復興に目を向けるとともに、将来の日本のあり方を考える良い機会としたい。人口減少と高齢社会の到来は、国の将来を左右するという意識改革が必要だ。
73年前の太平洋戦争前後の鉱工業生産指数の推移を昭和30年(1955)基準指数(55年=100)でみてみる。太平洋戦争が始まる直前の40年の鉱工業生産指数は100・2だったが、終戦した45年に44・6、翌年には18・0と、開戦前の5分の1に落ち込んだ。その後、戦後復興の中で生産は上昇し、太平洋戦争前と同水準となるのは、敗戦から10年後の55年だ。
復興の中で、繊維などの軽工業に変わり、化学や石油製品など重化学工業が台頭し、主産業交代が進む。55年は、経済白書で「もはや戦後ではない」と言われた年で、この後、長期の高度経済成長が実現していく。
目を将来に転じる。「日本の市区町村別将来推計人口」(08年末発刊)によると、35年には75歳以上の人口が、25%以上を占める自治体が5割を超える。75歳以上で元気な高齢者も多くいるとはいえ、多くは労働人口として期待するのは難しい。また、35年には年少人口(0―14歳)割合が、10%未満の自治体が3分の2を超える。いわゆる「子どものない社会」が現実になる。その時代を支える働き手はどうか。35年には、生産年齢人口が5割未満しかない自治体が3分の1を超える。働く人間より、家族や社会に依存して生活する人間が多くなる。
歴史をひもとけば、異文化を受け入れるかどうかをめぐって、日本国内で深刻な対立が繰り返され、歴史を動かす動力となってきた。今日の日本の繁栄は、海外との交流や異文化の輸入なしでは、ありえなかった。
政府は外国人労働者の受け入れ拡大の方針を掲げた。しかし、今後日本が「開国」に踏み切り、相当数の外国人を受け入れるとなると、現状のままでは厳しい。日本の社会のあり方、考え方や行動を変えていかないといけない。日本再生のために残された時間は長くない。
(2018/8/15 05:00)
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