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(2018/9/1 14:00)
彼の名は「さかい三十郎」。正義感にあふれた庶民派である。そんな彼が出張時に出会ったノンフィクションのハプニングを「小さな事件簿」としてつづったのが本連載である。
「本当にそんなことが新幹線内で起こるの?信じられないなぁ…」との思いで読まれる方も多いかもしれないが、すべてノンフィクション(事実)なのである。彼の大好きな「映画の話」もちりばめてあるので、思い浮かべていただければ幸いである。
それでは車内で遭遇した事件簿の数々をご紹介させていただく。
* *
いつものように1号車に進入すると、明るく弾んだ声が響いていた。聞くと宝くじの高額当選をしたらしい。三十郎ならグリーン席に移動するのだが……。
その男「やった、やはり買い続けて良かった。おかげで長年の投資額が回収できた。今晩はおごるよ」
関係者「当選金はいくら?」
その男「驚くなよ、100万円だ。今晩はパァーッと行こうぜ!」
明るく勇ましい風景である。ご相伴に預かりたいものだ。
買わないとチャンスはない。しかし買っても当たらない
三十郎もずっと購入しているが、高額当選はいまだない。最高額は、新宿通りのコイン削りスピードくじで得た10万円。その夜に仲間3人の飲み代として歌舞伎町に消えた。初めて購入したのは、福岡県柳川市京町の煙草屋さん。あれからもう四半世紀が過ぎた。せめて100万円程度は返していただかないとペイしない……。
宝くじに“ロト6”があり、発売時から継続購入している。1~43の数字から6個を選択する方式であり、一等が当たる確率(理論値)は“600万分の1”とのこと。選択する番号は子供3人の誕生日と決めている。1、4、9、12、24、29。
三十郎はこの選択番号6個が当選したことがある。ただし“2週連続・分割”してのこと。2002年2月、前週に“3個が当選”していた。次週に何と、“残りの3個が当選”したのである。三十郎は直感した。「数字の出目系統に乗っている。連続で分割当選ということは、来週は6個一気に当選するかも……」大いなる夢と野望を持って、次週を待つことにした。
結論は……当然の成り行き“外れ”であった。しかも出目数字もまったく関連性がなくなった。
「買わないとチャンスはない。しかし買っても当たらない」の諺が身にしみる三十郎だが、ここでやめる訳にはいかない。やめた時に限って6個の数字が当選したのでは悔いが残る。これも宝くじ販売会社の策略かも知れない。
タイムマシンで当たり馬券をゲット!?
映画「バック・トゥー・ザ・フューチャー2」で未来から“スポーツ試合結果雑誌”を現代に持ちかえり“大儲けする男”の話を思い浮かべながら、京都競馬場帰りに次の風景に出くわした。
販売員「明日の新聞いりませんか?明日の京都の新聞いりませんか!」
三十郎は直感した。これだ、これがあれば勝てる。何たって明日の新聞である。
しかし、残念ながらこの新聞の中には“明日のレース内容とスタッフ10人程度の予想・薀蓄・過去のデータ、今週の追いきりの様子”が書いてあるのみで、結果は記載されていない。
販売員の皆さんへお願いです。「明日の予想新聞はいかがですか」にしてください。
勘違いするのは三十郎だけであろうか……。
始末記
皆さんはジャンボ宝くじの抽選風景を見たことがありますか?三十郎はテレビ画面上で見たことがある。数字盤が回り当選番号が読みあげられ、会場内も一喜一憂となる。
発表が終わり交換期限(1年)が間近になると、次のような告知が新聞紙面でされる。
「貴方の当選番号をご確認ください」、「高額当選が○本交換されていません」。
でもこれって何か不思議に思うことがありませんか?“銀行のパフォーマンス”なのでは。実態は“初めから購入されていない番号”の宝くじであり、当選者が現われるはずはないのでは……。
銀行の雑収入として入金されているのではないでしょうか?銀行に不満がある訳ではありません。ただ不思議に思っているだけです。
(雑誌「型技術」三十郎・旅日記から電子版向けに編集)
(2018/9/1 14:00)