[ ICT ]
(2018/9/27 16:00)
米無線通信事業者は何年もの間、家族プランやデータ通信量無制限プラン、税金やネットフリックス視聴料の組み込みなど割引競争を繰り広げてきた。しかし現在は回線を通じてサービスを提供している業界に狙いをつけている。
ベライゾン・コミュニケーションズは米国初の第5世代(5G)ワイヤレスサービスを来週4都市で開始する計画。同社は5Gワイヤレス技術を使い、最も速い回線と同じか、それを上回る速度でサービスを提供する。さらに消費者の関心が高まっているウルトラHDビデオも配信する。
5Gは今後さらに数千ものアンテナが必要であることや、天候による通信遮断の可能性などの制約はあるものの、現在ブロードバンドと電話、テレビを回線ないし衛星経由で利用している米国の約9000万世帯にとって新たな選択肢になり得る。無線通信業界で過去に繰り返されてきたのと同じ経過をたどれば、価格は下がり、現在、これらのサービスに月150ドル(約1万7000円)前後を支払っている消費者にとっては救いとなる。
米連邦通信委員会(FCC)のリード・ハント元委員長は、「ワイヤレスは回線ブロードバンドへのリスクではないとの考えは過去のものになった」と指摘した。
ベライゾンに続き、 AT&Tも5Gサービスを開始する予定であり、各無線通信事業者はブロードバンドやテレビを独占している有線事業者に挑もうと躍起になっている。無線通信事業者の大手4社は合わせて2億6000万人強の顧客を抱えており、これらは家庭向けの新インターネット・テレビサービスの潜在的な顧客となり得る。(ブルームバーグ)
(2018/9/27 16:00)