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(2018/10/3 18:30)
【北京=時事】脱税告発をきっかけに6月以降消息が途絶えていた中国の有名女優、范冰冰(ファン・ビンビン)さん(37)に関し、中国の税務当局は3日、范さんと事務所の脱税を認定し、追徴課税や滞納金、罰金を合わせ8億8000万元(約146億円)余りの支払いを命じたことを明らかにした。国営新華社通信が伝えた。
急成長を続ける中国映画界では、高額な出演料を過少申告する脱税行為が横行しているとされる。今回の処分は罰金だけで約100億円。当局がこうした「慣行」にメスを入れ、有名女優の脱税に厳しく対処したのは、所得格差に不満を強める国民感情への配慮がありそうだ。当局は「年末までに修正申告すれば行政処分や罰金を免除する」と、業界関係者に「自首」を促した。
范さんの脱税疑惑は、5月下旬に国営中央テレビの元司会者が、金額の違う2枚の映画出演契約書を暴露したのがきっかけ。当局の調査によると、范さんは旧日本軍の重慶爆撃をテーマにした映画「大爆撃」(26日公開予定)の出演料3000万元のうち1000万元しか申告せず、730万元を脱税。これ以外にも個人と事務所で2億4800万元を過少申告し、1億3400万元を脱税したと認定された。
范さんは3日、中国版ツイッター「微博」を通じて謝罪。「(共産)党と国の良い政策や人民の支持なしに范冰冰はいない」と改悛(かいしゅん)の情をつづった。范さんは初犯のため罰金などを支払えば刑事罰は免除されるが、証拠隠滅を図った事務所職員に対する調査は続いている。
范さんは山東省出身。米ハリウッド映画「X-MEN」や日本のCMに出演したこともある。米フォーブス誌が2017年に発表した年収ランキングでは中国の芸能人トップの3億元だった。
(2018/10/3 18:30)