[ オピニオン ]
(2018/10/18 05:00)
大阪・関西が誘致に名乗りを上げている、2025年国際博覧会(万博)の開催地決定まで1カ月余り。まず、これまでの経済界と政府関係者の努力に敬意を表したい。フランス・パリに本部を置く博覧会国際事務局(BIE)が、万博開催の承認手続きなどを担い、開催地を決める投票は11月23日。「予断を許さない」(政府関係者)状況だ。度重なる自然災害に見舞われている日本に、明るい結果がもたらされることを期待する。
25年万博は日本のほか、ロシアとアゼルバイジャンの3カ国が誘致に立候補している。フランスも当初、手を挙げていたが、2月に入り財政上の懸念を理由に立候補を取り下げた。一時大阪・関西が有利になるとの見方もあったが、競合の2カ国も追い上げているという。
3カ国は投票権を持つBIE加盟170カ国に対し、支持を得るため最後の追い込みをかける。日本も大阪府や市の首長、関西経済団体首脳らが、日本で開かれた国際会議を捉えて加盟国に接触したり、パリでBIE加盟の各国政府代表を対象に万博誘致フォーラムを仕掛けたりして、囲い込みを強めている。
投票まで1カ月を切ろうとしている今の時期、日本以外の2カ国もBIE加盟国に対するフォーラムをパリで開き、多くの加盟国へ誘致の訴えを強めているとみられる。
日本は9日にパリで、関西経済連合会の松本正義会長(住友電気工業会長)と大阪商工会議所の尾崎裕会頭(大阪ガス会長)、大阪市の吉村洋文市長が出席し、万博誘致フォーラムを開催。その前週、日本で行われたアフリカ開発会議(TICAD)閣僚会議に、大阪府の松井一郎知事が出席。8カ国の代表と直接会談できたという。
東京と並び訪日外国人に人気が高い関西から、万博を通じ国内外に日本の技術やサービス、少子高齢化や健康寿命の延伸といった社会的な課題に対して未来の姿を示す意義は大きい。新事業や起業の種も生まれるだろう。「地道に丁寧に」(松井知事)、最後のヤマ場を乗りきってほしい。
(2018/10/18 05:00)
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