[ ICT ]
(2018/10/31 12:00)
顔認証対応、ホームボタンも消える
米アップルはタブレット「iPad(アイパッド)」に関して2015年以来となる大幅アップグレードを行った。アイパッドはここ数年、売り上げが落ち込んでおり、アップグレードでてこ入れを図る。
アップルは30日、ニューヨークのブルックリンで開いた製品発表会で、新型「iPad Pro(アイパッド・プロ)」を発表。スクリーンのサイズは11インチと12.9インチの2つを用意し、最新「iPhone(アイフォーン)」の主要機能も搭載した。スクリーン周囲のベゼルは従来より幅が細くなり、全体におけるスクリーンの占有率が大きくなる。プロセッサーの処理速度は改善し、背面カメラの性能も向上、また端末のロック解除や支払い向けに顔認証機能を搭載した。
アイパッドの販売台数は2014年10-12月(第1四半期)の2600万台がピークで、昨年10-12月期はその約半分にとどまった。平均販売単価も低下している。それでも楽観できる理由はある。タブレット市場全般の縮小の中でもアイパッドは新しいソフトウエアや低価格モデルのおかげで勢いを取り戻しており、30日発表したアイパッドの最新モデルで回復基調を維持しそうだ。
アイパッド・プロのアップデートは17年6月以来。同モデルに搭載された「A12Xバイオニック」チップは処理速度や人工知能(AI)処理、グラフィックスをアイフォーンの最新機種並みに向上。また、ホームボタンやヘッドホン・ジャックを廃止。ライトニング・コネクターの代わりにUSB-Cポートを採用した。「iOS」機器でUSB-Cポートを採用したのは同機種が初めて。
価格は11インチモデルが799ドル(約9万円)からと、昨年の10.5インチモデルの649ドルから150ドル値上げ。セルラーモデルの最上位機種(12.9インチ、ストレージ1テラバイト)は1899ドルと、フル装備のノート型パソコンの大半を上回る価格設定。(ブルームバーグ)
(2018/10/31 12:00)