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[ 科学技術・大学 ]
(2018/11/27 17:00)
原始重力波の観測を目指す新型の望遠鏡「グランドバード」。高速で回転しながら広い範囲を観測する(26日、茨城県つくば市=時事)
高エネルギー加速器研究機構(茨城県つくば市)と京都大などは26日、新型の望遠鏡「グランドバード」を公開した。センサーを3秒に1回転させることで広い範囲を調べ、宇宙誕生直後に起きたとされる「原始重力波」の観測に挑む。
グランドバードのセンサー部分は直径約1.4メートル。内部を絶対零度(マイナス273度C)近くに冷やしノイズを軽減する。センサーの回転により、観測範囲が従来の20倍に広がるほか、大気の揺らぎの影響も低減できる。
宇宙の誕生をめぐっては、ビッグバンが起きる直前に急激に膨張したとする「インフレーション理論」が提唱されている。原始重力波をキャッチできれば理論を裏付ける大きな手掛かりとなり、各国が観測を試みている。
グランドバードは地球に降り注ぐ電磁波の強さや性質を調べることで、原始重力波に迫る。12月以降、大西洋に浮かぶスペイン領カナリア諸島に望遠鏡を送り、来年4月の観測開始を目指す。(時事)
(2018/11/27 17:00)