[ 政治・経済 ]
(2018/12/6 16:30)
【パリ=時事】フランス政府は5日、激しい抗議デモのきっかけとなった燃料税引き上げ方針について、来年中の実施は断念した。政府は4日、来年1月からの増税を半年延期すると表明したばかり。死者4人を出したデモの激化を重く見たマクロン大統領は、大幅な譲歩で事態の収拾を図りたい考えだが、先行きは不透明だ。
政府側が一段と妥協せざるを得なかったのは、半年延期の発表後も、抗議行動継続の機運は全く衰えなかったためだ。しかし、パリで再び8日に予定されるデモ参加を呼び掛けるツイッターには5日の決定を受けても、「6カ月の延期がさらに先延ばしになっただけだ」「増税を断念しても購買力は向上しない」と反発する投稿が相次いだ。
市民の怒りの矛先は、大企業や富裕層を優遇してきたマクロン氏に向かっている。4日には、デモによる火災が発生した地方の町を視察したマクロン氏の乗った車に、デモ参加者らは「辞任しろ」と罵声を浴びせた。
(2018/12/6 16:30)