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【電子版】墜落事故のライオン航空、ボーイングは「倫理に反する振る舞い」 2.5兆円分キャンセル示唆

(2018/12/23 08:00)

  • ライオン航空610便は10月29日にジャワ島北部沖に墜落。乗員・乗客189人が犠牲となった(12月11日、スカルノ・ハッタ国際空港=ブルームバーグ)

 インドネシアの格安航空会社ライオンエアと米ボーイングが対立している。乗員・乗客189人が亡くなった10月の旅客機墜落事故への対応が発端だ。

 ライオンエアのオーナー、ルスディ・キラナ氏は事故対応における同社への扱いが不当だと主張して、ボーイングと交わしていた220億ドル(約2兆4800億円)規模の契約を取り消す考えを示唆している。ライオンエアが運航していた就航後2カ月のボーイング737MAXは10月29日、ジャカルタの空港を離陸後しばらくして、ジャワ海に墜落した。

  • ライオン航空グループの共同設立者ルスディ・キラナ氏(12月11日、バンテン=ブルームバーグ)

 ライオンエアは事故前、東南アジア以外ではほとんど知られていなかったが、キラナ氏(55)自身は業界では伝説的な人物だ。18年前に兄弟でボーイング737-200を1機借りてジャカルタとバリを結んだサービスを開始。その後、ライオンエアをインドネシア最大の航空会社に育て上げ、旅客機の買い手としても大きな存在感を示している。

 キラナ氏は、ボーイングが事故を巡る問題にライオンエアを不当に巻き込んでいると主張。同社はボーイングへの発注を取り消す文書の作成に乗り出している。

  • スカルノ・ハッタ国際空港に向かうライオン航空のボーイング737-800型機(12月11日、チェンカレン=ブルームバーグ)

 ジャカルタでブルームバーグのインタビューに応じた同氏は、墜落事故に関するインドネシア当局の暫定報告へのボーイング側の対応に触れ、「倫理に反する振る舞いをしている。不道徳な行動であり、われわれは別の道を行く」と述べた。

 ボーイングはキラナ氏との話し合いについてコメントせず、「ライオンエアは貴重な顧客であり、この困難な時期において同社を支援している」と資料で説明。「今回の事故の全容を完全に把握するあらゆる措置を講じており、調査チームおよび全ての関係当局と密接に協力している」と記した。(ブルームバーグ)

(2018/12/23 08:00)

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