[ 政治・経済 ]
(2018/12/23 10:30)
【ワシントン=時事】米上院は22日、暫定予算失効に伴い一部の政府機関が同日から閉鎖された事態を受けて対応策を協議した。しかし、合意できないまま休会した。27日に改めて協議する予定だが、与野党の隔たりは大きく、閉鎖が長期化する可能性もある。
今回の政府機関閉鎖は、トランプ大統領が不法移民流入防止策として掲げたメキシコ国境への壁建設の予算をめぐり、与野党の対立で21日までにつなぎ予算案を可決できなかったため。野党民主党のシューマー上院院内総務は「政府閉鎖の解除を望むなら、壁(予算)を放棄すべきだ」と述べ、壁建設にこだわるトランプ氏を批判した。
トランプ氏は22日のツイッターで、「メキシコ国境での(不法移民流入という)危機は、立派な鉄柵か壁が建設されるまで終わらない」と投稿した。「鉄柵」という表現を用い、壁にこだわらない姿勢をにじませたとも解釈できるが、対立収拾につながるかどうかは不透明だ。
サンダース大統領報道官は記者団に、政府機関の一部閉鎖を受け、トランプ氏が別荘のあるフロリダ州行きを取りやめたと説明した。同州に入っていたメラニア夫人もワシントンに戻り、家族でクリスマスを過ごすという。
2019会計年度(18年10月~19年9月)予算では、国防総省向けなど全体の約75%は手当て済みだ。一方、国土安全保障省や内務省などでは、暫定予算切れで約38万人の職員が自宅待機となり、一時的に無給状態で勤務する職員を含め約80万人が影響を受ける。
航空管制や国境警備に携わる職員は業務を継続。ロイター通信によれば、アリゾナ州のグランドキャニオンやニューヨークの「自由の女神像」といった観光名所も、地元州政府が運営費を負担するため影響を受けない。
(2018/12/23 10:30)