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[ エレクトロニクス ]
(2018/12/30 07:30)
ソニーは3次元(3D)カメラに使われるToF方式の距離画像センサーの量産を19年から始める方針だ。より強い立体感を得られる拡張現実(AR)技術や顔認証アプリが使えるスマートフォン向けの需要に期待し、米アップルを含むセンサー供給先に売り込みをかけている。
ソニーセミコンダクタソリューションズの吉原賢モバイル&センシングシステム事業部長によると、九州の自社工場で夏以降、一部生産を開始。スマホのカメラなどに使うイメージセンサーの全供給先に商談を持ちかけている。特に中国は「市場自体が大きく、アプリの動き方もすごく早い。非常に期待している」と述べた。
イメージセンサーで世界シェアトップのソニーは、17年に対象物に光を照射し、その到達速度で距離を測定するToFセンサーを開発。新たな需要を取り込み、現在主流のCMOSセンサーに続く主力製品に育てる方針だ。中国の華為技術(ファーウェイ・テクノロジーズ)は、最新の3Dカメラ搭載スマホにソニーのToFセンサーを採用した。
富士キメラ総研によると、18年のToFセンサーの市場規模は前年比36%増の199億円と見込まれ、25年には約5倍の1028億円まで拡大すると予想。スマホで顔認証やARを目的としたToFの本格採用が始まると指摘する。
世界のスマホ需要が鈍化する中、3Dカメラは第5世代通信(5G)導入とともに起爆剤として期待される。吉原氏は「カメラが当たり前になったように3Dが普通に使われる状態」を思い描き、「ToFセンサーでもナンバーワンになる」と意欲的だ。一方、自社のスマホ「エクスペリア」への採用については言及を控えた。(ブルームバーグ)
(2018/12/30 07:30)