[ オピニオン ]
(2019/2/22 05:00)
札幌に来て驚いたのは道路の広さだった。近所の生活道路は片側2車線ある。昼間でも車はそれほど走っておらず1車線で十分だ。さすが広大な北海道ならではと思っていたが、冬季になってその役割が分かった。
片側2車線のうち1車線は除雪した雪の置き場に変わる。道路の両脇には高さ1―2メートルぐらいの雪山が点々と続く。札幌市民は見慣れているだろうが、よそから来た人にとっては珍しい光景ではないか。
札幌市は、世界でも有数の豪雪都市。年間降雪量は6メートル弱になる。世界の人口100万人以上の都市で年間降雪量が5メートルを超えるのは札幌だけらしい。それでも都市機能がまひしないのは、除雪がきちんと行われているからだ。
札幌市の2019年度予算案の除雪費は215億円と過去最大になるという。労務単価の上昇などが主な理由だ。安全安心な生活を確保する上で、雪はコストとして、重くのしかかる。
もちろんプラス面も大きい。観光はその最たるものだ。雪が降らない国の外国人旅行者には興味深いだろう。11日に閉幕した「雪まつり」は現在の会場になって以来、過去最高の273万人が来場した。雪があることで札幌の魅力も増す。雪の可能性を深掘りする価値はある。
(2019/2/22 05:00)