[ オピニオン ]
(2019/3/6 05:00)
第三のビールが盛り上がっている。「『本麒麟』包囲網」だという。本麒麟とはキリンビールが2018年に発売した商品。同年の販売数量で940万ケース(1ケースは大瓶20本換算)のヒットを飛ばし、ビール市場の話題をさらった。
売れた理由は第三のビールながら、これまでにない本格的なビールに近い味らしい。中にはビールだと思って愛飲しているユーザーもいるとか。
この状況を同業他社が黙って見ているわけもなく、19年は“ビールに近い第三のビール”が相次いで登場している。アサヒビールが「極上〈キレ味〉」を発売。サントリービールが「金麦〈ゴールド・ラガー〉」を投入した。19年も5割増を狙うと鼻息の荒い本麒麟に対して、包囲網を敷く。
第三のビールはビールと異なる原料を使ったり、発泡酒にリキュールを加えたりする工夫で、税法上の税率をビールより下げられる。価格もビールより安く設定できる。
さて価格がビールよりも安く、ビールの味にそっくりという新たな商品が市場を席巻し始めた。これまでのビール商品の存在価値は危うくならないのだろうか。食品・原材料の相次ぐ値上げや10月の消費増税を見据え一般消費者のマインドはより敏感になっている。
(2019/3/6 05:00)