[ オピニオン ]
(2019/3/7 05:00)
「中国リスク」をめぐる議論が高まっている。法改正や制度改正が頻繁で変わりやすい。しかも各地で制度の運用がまちまちで信頼がおけない。政治体制が一党独裁で、政府による監視が強化されているなどさまざまなリスクが尽きない。
中国での勤務が11年にのぼる三井住友海上火災保険(中国)江蘇支店総経理の海司昌弘さんは、「インフラ供給が不安定なうえ、若者の製造業離れで現地スタッフが確保できない」とし、現地でのリスク要因を挙げる。
それでも中国は無視できない。14億人を超える人口を有する巨大市場で、その価値は極めて大きい。依然として年6%を上回る経済成長を遂げ、将来は国内総生産(GDP)で米国を上回る世界一を達成する。
経済成長を支える技術力でも、研究論文数ですでに世界トップ。2016年の研究開発投資でも官民で約45兆円と米国に次ぐ規模を誇り、高い潜在性を有する。魅力あふれる国であることは間違いない。
海司さんは、「中国を知らないことが最大のリスク」とした上で、「中国に行って、見て、触れて、日本とのギャップ(考え方)を感じるべき」と指摘する。相手の懐に飛び込んで行く勇気が中国ビジネスの要諦なのかもしれない。
(2019/3/7 05:00)