[ 自動車・輸送機 ]

【電子版】事故前日のインドネシア・ライオン航空機、第3の操縦士が危機救う

(2019/3/24 05:00)

  • ライオン航空のボーイング737MAX8型機(15日、インドネシア・スカルノ ハッタ国際空港=ブルームバーグ)

 インドネシアの格安航空会社ライオン航空は昨年10月28日、運航していたボーイング737MAX8のコントロールに苦しんでいた。その操縦士は思わぬところから助けを得たという。非番でたまたま乗り込み、操縦室にいた“3人目”のパイロットからだ。

 コックピット内の補助席に座っていたこのパイロットは問題を的確に把握し、同機の担当クルーに対して正しく作動していない飛行制御システムの解除方法を伝え、この機を救った。インドネシア側の調査に詳しい関係者2人が明らかにした。

 調査担当者らは翌日の29日、別のクルーにより運航されていたMAX8で同じ問題が発生したとみている。同機はジャワ海に墜落し、乗客乗員189人全員が死亡した。

 インドネシア国家運輸安全委員会(NTSC)が公表した11月28日の事故報告書では、墜落事故の前日、バリ島からジャカルタに向かう便について、正副操縦士の他にコックピット内に第3のパイロットがいたことは触れていなかった。またこれまでそうした報道もなかった。

  • ライオン航空ボーイング737MAX8型機の操縦席(15日、インドネシア・スカルノ ハッタ国際空港=ブルームバーグ)

 いわゆる「回送」中だったパイロットがクルーに告げたのは、機首を下げている動力装置の電源を切ることであり、操縦士なら全員覚えておくことが義務付けられているチェックリストに盛り込まれている手順だと関係者は語った。

 ライオン航空機の広報担当者ダナン・プリハントロ氏は電話取材に対し、「フライトおよび航空機に関してわれわれが持つ全てのデータと情報をインドネシアNTSCに提出している。事故の調査中であり現段階でコメントを付け加えることはできない」と述べた。

 ボーイングとインドネシアNTSCの担当者は、10月28日の737MAX8運航についてコメントを控えた。(ブルームバーグ)

(2019/3/24 05:00)

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