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[ 科学技術・大学 ]
(2019/4/24 15:00)
地震波とみられる弱い波動を記録した火星探査機「InSight」の地震計。厳しい気温変化や強風から保護する目的でドーム型の「Wind and Thermal Shield」断熱バリアに覆われている(3月19日、InSightのカメラから撮影=NASA / JPL-Caltech)
【ワシントン=時事】米航空宇宙局(NASA)は23日、昨年11月に火星へ着陸した無人探査機「インサイト」に搭載された地震計が、地震波とみられる弱い波動を記録したと発表した。確認されれば火星で初めて地震が観測されたことになり、NASAのチームが詳しく調べている。
波動が記録されたのは今月6日。風などによる地表からのものではなく、地中から生じたとみられる。地震計はこれ以外に、3月14日から4月11日にかけて波動を計3回記録したが、さらに微弱で発信源もはっきりしないという。
6日の波動について、NASAは「とても弱く、火星の地表が極めて静かだったから観測できた」と説明。「この程度の大きさのものは、毎日多数の小さな揺れが起きるカリフォルニア州南部では見過ごされていただろう」と指摘した。
インサイトの地震観測チームを率いるパリ地球物理学協会の専門家は、今回の波動について「火星での地震活動を示すものがついに観測され、心が躍る」とコメントした。
インサイトは地震計のほか地中の熱を観測する装置を搭載。火星の内部構造を調べることで、星の成り立ち解明につながるデータ収集が期待されている。
(2019/4/24 15:00)