[ オピニオン ]
(2019/6/5 05:00)
“現場”の管理層に「やりきれない」という不満が高まっているという。会社の方針や理解のない上司への苦情ではない。仕事が増えすぎて、与えられた人員では業務をこなしきれないという意味だ。
運輸や建設などの慢性的な人手不足の職場より、大量データを扱う職場ほど苦境に立たされている。客観的な調査があるわけではないが、日常の取材の中で、そう思わされるシーンが少なくない。
製品検査の部門長。表面精度を示すグラフから製品の不良を読み取るベテラン検査員が足りない。微細な検査ほど負担が大きくなるので「測定器のメーカーに『高精度化するなら、一緒に検査員もレンタルしてくれ』と頼んでいるんだよ」と苦笑する。
大病院のX線技師長。大量の撮影画像を読み、異常を識別する単純作業に部下の技師が疲れ果てている。それでも増え続ける仕事に「若い時に医療を志した使命感を忘れ、逃げ出したくなる」と訴える。
これまで自動化・機械化を進めてきた分野でも、最近の人工知能(AI)技術やビッグデータの需要に応じて、さらなる革新が求められている。東京ビッグサイトできょう開幕する「スマートファクトリーJapan2019」から、そのヒントを学びたい。
(2019/6/5 05:00)