[ オピニオン ]
(2019/6/6 05:00)
昭和と平成で大きく変わった空間の一つに百貨店の屋上がある。子どもにとって、デパートは上層に行くほど、玩具売り場があったり、遊園地があったりと楽しい夢の場所だった。それが、令和の時代では、最後の屋上遊園が廃止になるという。
商業施設にとって、屋上は火災の際に重要な避難場所でもある。安全重視の観点から、さらに高い所に上がることができたミニ観覧車などが消えて、ペット売り場やミニ動物園もなくなっていった。
夜のビアガーデンも平成後期には大きく変わった。生ビールが家庭に入る前は屋上ビアガーデンは涼やかでおいしいビールが飲める場所だった。昭和の時代にはおじさんの居場所だったが、平成の終盤にはおしゃれに変わった。
東京・銀座の松屋では男性向けだった屋上ビアガーデンを女性向けにし「美しくなるビアガーデン」を6年前から展開する。令和元年の今シーズンは20―30代のOLやファッションに敏感な女性をターゲットにメニューにも一層、工夫を凝らしている。
おしゃれな分、お値段もよく、今季は前年同期比10%増の1億1500万円を目指す。その一方、埼玉県川越市の丸広百貨店の屋上遊園は9月1日で営業終了と時代は移っていく。
(2019/6/6 05:00)