[ 金融・商況 ]
(2019/6/14 14:30)
今年の騰落率トップの仮想通貨はここまで約4倍に上昇しているが、あまり聞いたことがないかもしれない。それはライトコインだ。
年初来で330%強上昇したライトコインは、知名度が最も高く規模も最大のビットコインだけでなくイーサやXRPを含む他の全ての仮想通貨を上回るパフォーマンスとなっている。モザイク・リサーチの集計データによると、時価総額は約84億ドル(約9100億円)で、デジタル資産では7番目の規模。
この上昇はライトコインがいわゆる半減期に近づいていることを一因とできるかもしれない。半減期ではマイナーに支払われる報酬が半分になるため、供給が減って価格を押し上げるだけでなく、価値の減少が防止されると考えられている。マイナーは現在、1ブロック当たり新規に25ライトコインを受け取るが、8月6日と見られる半減期以降は12.5ライトコインに減る。
半減期は通常、4年ごとに到来し、それに向かう時期に当該仮想通貨の上昇が起きていたことが過去のデータに示されている。コインマーケットキャップ・ドット・コムのデータによると、前回の半減期だった4年前にライトコインは事前の3カ月間に60%程度上昇していた。
トレーディングプラットフォームのeトロのシニア市場アナリスト、マティ・グリーンスパン氏は電話インタビューで、「ビットコインやライトコインの半減期が来るたびに、価格は天文学的に急上昇している」と述べ、「そのパターンが続くとすれば、これまで見られた動きは比較的取るに足りないことだろう。仮想通貨市場にとってこれはかなり正常な動きだ」と指摘した。
仮想通貨は今年、主流の金融機関からの幅広い受け入れや、ウォール街からの関心の高まりを背景に見直されつつある。Eトレード・フィナンシャルはフィデリティ・インベストメンツと同様、自社プラットフォームで仮想通貨の取引を行う準備をしていると言われる。
AT&Tは米携帯電話事業としては初めて、顧客によるビットコインもしくはビットコイン・キャッシュでの支払いを認める方針を発表した。さらに期待されている展開の1つは、フェイスブックからの発表だ。フェイスブックは独自のデジタルトークンに関する基本的内容をより詳細に公表すると伝えられている。(ブルームバーグ)
(2019/6/14 14:30)