[ 自動車・輸送機 ]

【電子版】米ボーイング、「MAX」のブランド名変更も 幹部が柔軟姿勢

(2019/6/18 05:00)

  • ボーイング737MAX8(15年12月、ワシントン州レントン=ボーイング提供)

 米ボーイングは同社の旅客機737MAXから「MAX」ブランドを外すことに柔軟な姿勢を示した。同モデルは2度の墜落事故を起こして3カ月にわたって運航停止となっており、イメージが損なわれている。乗客の評価や航空機名に対する航空会社の反応次第でブランド名を変更する可能性がある。

 ボーイングのグレッグ・スミス最高財務責任者(CFO)は17日、パリ国際航空ショーの場でインタビューに応じ、「当社は寄せられる全ての意見に耳を傾けている」と発言。「われわれは立て直しに必要なことをしようとコミットしている。それがブランドの変更を意味するなら、それに取り組むだろう。ブランド変更を意味しているのでなければ、優先順位の高いことに何であれ取り組む」と述べた。

 ボーイング幹部らは現在のところ、MAXを直ちに改称する計画はないことを強調している。トランプ米大統領は2カ月前、ボーイングは「737MAXに新しい名称を与えて、ブランドを再構築する」べきだとツイートした。同社がブランド名を変更した場合は、トランプ氏の提案に従うことになる。(ブルームバーグ)

マレンバーグCEO、737MAX運航再開に自信 25年めど新中型機

  • 米ボーイングのデニス・マレンバーグCEO(6月17日、フランス・パリ=ブルームバーグ)

 米ボーイングのデニス・マレンバーグ最高経営責任者(CEO)は、墜落事故を受けて運航停止中の旅客機737MAXについて年内の運航再開に期待を表明し、向こう数十年にわたる主力の単通路機として再び地位を確立することに自信があると述べた。

 「長期の数十年をにらんだ戦略は変わっていない」と、同CEOはパリ近郊で始まった航空見本市「パリ国際航空ショー」の初日、ブルームバーグテレビジョンとのインタビューで語った。この分野での完全な新型機導入は「向こう数十年になされる、はるかに遠い決定事項」のままだとし、MAXの製品戦略に自信を持っていると付け加えた。

  • シアトルのボーイング・フィールド(16年1月、ワシントン州シアトル=ブルームバーグ)

 MAXは昨年10月と今年3月に墜落事故を起こし、乗員・乗客全員が死亡。世界的に運航停止となったことで、ボーイングは数十年ぶりの深刻な危機下にある。マレンバーグCEOは年内の運航再開を期待しつつ、同社が「設計や認証のあらゆる側面」を検証しているとし、一部の変更点も挙げた。

 MAXの受注残は4000機余りに上り、後継機の開発を加速する予定はないとも発言。MAXは「非常に強い製品ライン」だとした。同時に、単通路機とワイドボディー機の中間に位置する全く新しい中型機にも取り組んでおり、2025年ごろ運航開始の計画だとも明らかにした。(ブルームバーグ)

(2019/6/18 05:00)

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