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[ 自動車・輸送機 ]
(2019/6/28 08:30)
米ボーイングの運航停止中の737MAXだけでなく、1世代前の737ネクスト・ジェネレーション(NG)に関してもこの数年間、飛行制御問題がパイロットから報告されており、パイロットらはソフトウエアの不具合が原因だと指摘している。
737NGを操縦した民間パイロットは、米航空宇宙局(NASA)のデータベース、「航空安全報告制度(ASRS)」を通じてさまざまなコンピュータートラブルに関する懸念を報告してきた。過去3年間に離陸時の失速や突然の急降下などが報告された。
報告には、2018年10月に機長が737NGを自動操縦にしていたところ、突然機体が右に急旋回し、その後、左にさらに激しく旋回した後、加速し急降下したという事例もあった。機長らは機体を制御することができたが、ASRSへの報告で、「この数日間でこの問題の報告は4回目だ」と記した。
飛行中に発生した問題のうち、ソフトウエアが原因の問題の割合は増えており、これはボーイングに限らない。同社のライバル企業、エアバスのコンピュータートラブルも報告されている。
ボーイングの広報担当はNGモデルのソフトウエアに関連する問題の報告について、「737NGの運航は20年を超え、飛行時間は2億時間に達しており、安全性は問題ない」と述べた。
ボーイングを巡っては、米連邦航空局(FAA)が26日、墜落事故を受けて運航停止中のボーイング737MAXの検証プロセス中に、ボーイングが対処しなくてはならない新たな潜在的リスクが見つかったことを明らかにした。(ブルームバーグ)
ボーイング、新たなソフト問題解決に3カ月?
米ボーイングは運航停止となっている737MAXで新たに判明したソフトウエアの問題を解決するのに、最長3カ月が必要となる可能性がある。事情に詳しい関係者が27日明らかにした。米連邦航空局(FAA)のテストパイロットがシミュレーター試験で緊急対応に遅れを経験し、この不具合が分かったという。遅れを感じた理由はコンピューターチップがデータに圧倒されたためだとしている。
FAAは26日、MAXの検証プロセス中に、ボーイングが対処しなくてはならない新たな潜在的リスクが見つかったと発表。エルウェルFAA局長代行は下院運輸経済基盤委員会のピーター・デファジオ委員長(民主、オレゴン州)へのブリーフィングで、MAXが「適切には反応しないとテストパイロットが感じた」と説明。「テストパイロットはコンピューターチップもしくはソフトウエアで問題をシミュレーションした」と明らかにした上で、100%確かではないとしながらも「チップに関係するソフトウエア」が問題となっている可能性があると述べた。
MAXは5カ月間に2回の墜落事故を起こし、3月から運航が停止されている。ボーイングはこの問題への対応はソフトウエアの修正で十分だと主張しているが、FAAはより複雑でコストのかかるハードウエアの改良が必要になるかどうかまだはっきりさせていない。公に話す権限がないとして関係者が匿名を条件に語った。
関係者によると、この問題への対応に要すると想定される期間は数週間から3カ月間と幅がある。別の関係者は、2、3カ月を必要とするかもしれないが、それよりは長くならないだろうとの見方を示した。
ボーイングに詳しい1人の関係者は、同社が問題への対応とより広範なソフトウエア再設計は可能で、9月をめどにMAXの運航再開を見込んでいると顧客などに伝え始めていると指摘した。だだジェフリーズのアナリスト、シェイラ・カーヤオグル氏は27日の顧客向けリポートで、MAXの新たな問題発覚で10-12月(第4四半期)前の運航再開はない可能性が高まっていると分析し、今年のMAX引き渡し見通しを236機と従来の362機から下方修正した。(ブルームバーグ)
(2019/6/28 08:30)