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[ 自動車・輸送機 ]
(2019/7/25 05:00)
米自動車最大手、ゼネラル・モーターズ(GM)の自動運転部門クルーズは、自動運転タクシー事業の年内開始を断念する。自動運転車の開発に自動車メーカーやテクノロジー企業がいかに苦慮しているかを示す新たな一例となった。
クルーズのダン・アマン最高経営責任者(CEO)はインタビューならびにブログへの投稿で、「シボレー・ボルト」の自動運転車の投入に向け取り組みを強化しているものの、年末までに性能と安全性を実証するのは不可能だと説明した。アマン氏は1年半前に目標を掲げた当時、「世界を変えることになると思う」と述べていた。
巨額の資金が投じられている自動運転車の開発で障害に直面しているのはクルーズだけではない。アルファベットの自動運転車部門ウェイモは、初となる自動運転車による配車サービス事業を2018年末までに開始する計画を立てていたが、昨年末時点ではアリゾナ州フェニックス郊外の一部家庭を対象にした試験的な展開にとどまった。試験ではクライスラー製のミニバンが使用されたが、安全確保のため全車で車内にドライバーが置かれた。
言うまでもないが、目標を優先して結果的に死亡事故を起こすようなことがあってはならない。18年3月には、アリゾナ州で試験運転中だった米ウーバー・テクノロジーズの自動運転車が道路を横断中だった歩行者をはねて死亡させる事故が発生。また米テスラの自動車でも、自動運転支援機能「オートパイロット」の作動中に事故が起き、これまでに少なくとも3人が死亡している。
クルーズによる年内の自動運転タクシー事業参入は実現しないが、アマンCEOは自動運転車の投入に長い時間はかからないとの見方を示した。インタビューで同CEOは、来年のサンフランシスコでの自動運転事業開始に向け「明確な道筋が見えている」と述べた。
クルーズには、ソフトバンクグループのビジョン・ファンドやホンダも出資している。(ブルームバーグ)
(2019/7/25 05:00)