モノづくりを変えるアディティブ製造、GEがけん引【PR】

(2019/12/26 09:30)

  • フォームネクストのGEアディティブブース 2月の「次世代3Dプリンタ展」でも同様のコンセプトで出展予定

 米ゼネラル・エレクトリック(GE)は、3次元プリンティングや積層造形などのアディティブ製造(AM)分野で世界のトップランナーとして存在感を増している。同部門を担うGEアディティブが11月にドイツ・フランクフルトで開かれたAM分野における世界最大の展示会「フォームネクスト(Formnext)」に出展し、金属3Dプリンターの新型装置を発表した。日本でも活動を本格化させており、装置販売だけでなく、導入時のコンサルティングから装置や金属素材の選定、試作品の製作、量産までAMにおける顧客のトータルソリューションパートナーになれる体制をアピールする。2020年2月には千葉・幕張メッセで開かれる「次世代3Dプリンタ展」に出展する。新製品の発表を予定しており、国内での注目度は一層高まりそうだ。

新たな構造を設計できる

 AMは3DのCADデータをもとに、材料を幾何学的形状に積層したり付加したりしてモノを作り出す。材料を切削し、除去加工する通常の工程と比べてより軽く強い部品を作ることができる。商品化までの時間短縮やコスト削減につながるほか、既存の手法ではなしえない新たな構造や設計の部品を造形することができる。AMが破壊的(ディスラプティブ)な革新と言われるゆえんだ。

  • ターボプロップエンジン「Catalyst」

 GEはAM技術の金属製品への応用の可能性にいち早く着目し、航空機エンジンなどの自社製品の立案や設計、開発、試作、量産に活用してきた。その成功事例の一つが、航空機エンジンメーカーのGEアビエーションが開発したターボプロップエンジン「Catalyst(カタリスト)」だ。エンジンの35%をAM技術で作った結果、部品点数は従来の855点から12点にまで集約した。生産スピードの向上や燃料消費の削減や軽量化が図られたほか、溶接や接合部が少ないために耐久力が向上した。すでに米テキストロン社のセスナ・デナーリ小型航空機の専任エンジンとして採用が確定している。こうした製造現場の最前線で得られる知見は、GEアディティブが提供する製造装置やコンサルティングサービスに反映されている。

 現在は直接金属レーザー溶融方式の独コンセプト・レーザーや電子ビーム方式を手がけるスウェーデンのアーカムという金属AM装置メーカー2社のほか、材料供給企業を傘下に収めており、GE本体が培ってきた知見や経験を含め、GEアディティブはトータルソリューションパートナーとしてAMに関する顧客のあらゆる課題に対応する。最先端の金属3Dプリンター造形システムや質の高い造形材料、AM製造における知識と経験に基づくコンサルサービスを総合的に提供する。

日本市場を開拓

 「フォームネクスト」では、3Dプリンターの新装置としてレーザービーム方式の「M2シリーズ5」と電子ビーム方式の「Spectra(スペクトラ)L」を発表した。このほか、50ミリ―100ミリメートルサイズの小規模部品の製造に適した小型装置から、800ミリ×400ミリ×500ミリメートルの大型造形エリアを備える大型装置まで幅広く取りそろえる。特に小型レーザー式の「Mlab」は国内でも研究開発などの目的で使われることが多く、扱いやすい強みを持つ。

最新のレーザー方式3D金属プリンター、M2シリーズ5

 日本では18年1月にアディティブ事業部を発足し、6月に本格始動した。19年4月には三菱商事テクノス社と業務提携を結び、同社が神奈川県大和市に東京カスタマー・エクスペリエンス・センターを開設した。GEと共催でセミナーや装置見学会を無料で展開し、顧客開拓を推進している。

 さらに日本市場開拓の一環として、20年2月の「次世代3Dプリンタ展」に出展する。金属3Dプリンターの種類や最新製品を紹介するほか、金属3Dプリンターで造形した部品などを展示する。専門知識を持つスタッフによる装置やAM活用事例、コンサルサービスなどの紹介も行い、日本の製造業者にAM活用を働きかける。

(2019/12/26 09:30)

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